パンの工場見学
パン食普及協議会では、全国小学校社会科研究協議会の監修によ り、「かべテレくん/潜入!パン工場!!~パン工場のひみつをさぐ れ~』を作製ました。PDF版(サイズ4.3MB/A4判2ページ)でもご 覧いただけますので、上のバナーをクリックしてダウンロードしてご利用下さい。
皆様にパンへの理解を一層深めていただければと思います。
食パンを作るための材料
基本になる材料
小麦粉: |
小麦には他の穀物にはない、タンパク質が含まれていて、水を加えてこねると弾力があり、引っ張ると伸びる性質を持つ「グルテン」ができます。パンがふくらむのはこのグルテンの性質によるものです。小麦粉の種類によってグルテンの量がちがい、食パンにはグルテン量が一番多い強力粉を使います。 |
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パン酵母(イースト): |
パンをつくるのに欠かせないものです。材料に含まれる糖分を分解してアルコールと炭酸ガス(二酸化炭素)にします。このガスによりパンがふくらみます。 |
味や香りをつける材料
砂糖(糖類): |
パン酵母の栄養源となり発酵を助けます。 |
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油脂: |
パンに風味とコクを加えます。また、生地の伸展性をよくし、焼いたときによくふくらむようにします。 |
牛乳(乳製品): |
焼き色を良くして、風味、香りをつけます。 |
卵: |
風味、香りつけなどの働きがあります。 |
添加物など
イーストフード: |
品質改良の目的で使用され、グルテンに作用して、パン生地をきめ細かくソフトに、風味を豊かにします。 |
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ビタミンC: |
パンに風味とコクを加えます。また、生地の伸展性をよくし、焼いたときによくふくらむようにします。 |
乳化剤: |
膨張を助けます。また、油脂類を均一に分散させる働きがあります。 |
パン生地をつくる方法は、ストレート法や中種法などいくつかあります。ストレート法は全部の材料を一度に混ぜてパン生地をつくる方法、中種法は材料を2段階に分けてこねてパン生地をつくる方法です。現在、大きな工場での食パンの製造には中種法がよく使われます。
ここでは中種法でつくられる食パンの製造工程を見てみましょう。
食パンの製造工程(中種法)
- ① 中種(なかだね)をつくる
- ② 発酵(はっこう)させる
- ③ こねる
- ④ 分割する
- ⑤ 型に入れる
- ⑥ さらに発酵させる
- ⑦ 焼く
- ⑧ 包装する
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小麦粉(全量の50%以上)、パン酵母、イーストフード(使用する場合)、水をミキサーで混ぜ合わせます。
できあがったものを中種といいます。 -
中種を約4~5時間休ませます。この間にパン酵母の働きで生地がふくらんできます。これを発酵といいます。
休ませる部屋は発酵室といい、パン酵母が活発に活動できる環境である、温度27度、湿度が70~80%に保たれています。 -
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発酵した中種に、残りの小麦粉や食塩、砂糖や油脂などの材料を加え、さらに風味をつける材料を加えてこねます。
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こねてできた大きなパン生地を1個ずつのパンの大きさに分けます。
分けた後、丸め直して、20分ぐらい休ませます。これを中間発酵と呼ぶこともあります。
丸め直して休ませることで、分けたときに傷ついたパン生地を回復させます。 -
休ませて、ふくらんだ生地を一度つぶし、ガス抜きをします。
その後、きれいに形を整え、焼き型に入れます。
ガス抜きをすると、新しい空気が生地の中に入り、発酵がさらに活発になります。 -
型に入れた後、生地を約40分間休ませ、さらに発酵させます。
この時の温度は35~38度、湿度は80%ぐらいです。 -
ふくらんだ生地を200~250度のオーブンで約30~40分焼きます。
焼きあがったら型から出し、自然に1時間30分ほど冷まします。 -
焼きむら、焼き色をチェックした後、スライスして、包装します。
この後、パンはお店に配送されます。
冷ましてからスライスするのは、熱いままスライスするとボロボロになってしまうためです。