″作りおきおかず″でらくらくパン食⑥

おいしい簡単ヘルシーパン食 NO.23（2011年6月号）

より手軽に準備できて、パン食をより美味しくするための『作りおきおかず』の第２弾"ラタトゥイユ"をご紹介します。トマト、茄子、パプリカなどカラフルな夏野菜をたっぷりと使った"ラタトゥイユ"、あなただったらどのようなパンと組み合わせたいですか。 　 今月から３回にわたって"ラタトゥイユ"を使ったパン食メニューをご提案します。色んなメニューへ組み込むことで、野菜の栄養がたっぷり摂れるだけでなく、パン食のレパートリーとしても広がります。

『作りおきおかず②』ラタトゥイユ

ラタトゥユとはフランス、特にプロヴァンス地方で定番の野菜煮込み料理です。茄子、ズッキーニなど夏野菜をオリーブ油で炒めてからトマトを加えて煮ており、野菜の水分だけでじっくりと火を通して煮詰めているので野菜の旨味がぎっしりと詰まっています。そのままでも美味しいですし、パンとの相性も抜群です。

材料：２人分×３セット

作り方

1. にんにくはみじん切り、茄子は縦半分にカットして輪切り、玉ねぎとにんじんは1.5cm角、ピーマンは乱切りに切ります。
2. 大きめの鍋にオリーブ油、にんにくを入れて弱火にかけます。にんにくの色がきつね色になったら、1の野菜を加えて炒め合わせます。
3. 2の鍋の野菜が全体にしんなりとしてきたら、 トマト缶、コンソメを加えて蓋をして、弱火で15〜20分ほどコトコト煮込みます。 そして、塩・胡椒で味を調えたら出来上がりです。

ラタトゥイユとカポナータの違い

このラタトゥイユ（フランス）に似た料理でカポナータ（イタリア）という野菜の煮込み料理があります。どちらも見た目は野菜のトマト煮といった感じですが味付けが異なり、ラタトゥイユはタイムやセージなどの香草を加えることがあります。一方、カポナータは白ワインビネガーを加えて軽く煮込んでから塩、砂糖で調味します。ビネガーを使用するので、かすかに酸味がありさっぱりとした味わいがあります。

〜調理のポイント〜

●暑い夏、なるべく加熱料理は避けたいところ。簡単に作れる『作りおきおかず』を冷蔵・冷凍保存しておけば、夏バテ予防としても野菜をたっぷり補給できます。
"ラタトゥイユ"には玉ねぎ・トマト・茄子は必ず入れてほしい野菜ですが、パプリカ・ズッキーニ・セロリ・きゃべつ、そして、しめじ・マッシュルームなどのきのこ類なども入れても美味しくなります。また、全体的にコクを出したい場合はベーコン・ハムなどの動物性食品を加えてもいいですし、ひよこ豆・キドニービーンズなどの豆類を入れても食感にアクセントがでます。野菜は火を通すことで煮崩れしやすいので、木べらであまりかき混ぜ過ぎないのがポイントです。
出来上がった"ラタトゥイユ"の粗熱がとれたら、出来上がり重量を３等分して１回分（2人分・約370ｇ）を保存容器に入れて３日以内に使い切るようであれば冷蔵、それ以上の場合は冷凍で保存します。1日に摂ってほしい野菜量は350ｇですので、ラタトゥイユを使用すれば1食だけで1日に必要な野菜の半分の量も摂ることができます。

フルーツのふわふわヨーグルト和え

材料

作り方

1. バナナ（1本）とキウイフルーツ（1個）は皮をむいて食べやすい大きさに切ります。
2. ボウルに1のフルーツ、ヨーグルト（お好きな量）、マシュマロ（3個）を混ぜ合わせて、容器に盛りつけて、冷蔵庫で冷えたら出来上がりです。

〜今月の旬（トマト）〜

6月から9月頃が旬のトマトには、旨味の成分となる"グルタミン酸"が多く含まれており、野菜の中でもトップクラスです。そのため、洋食のだしとなるトマトを丸ごと使った煮込み料理はパンの美味しさを引き立てます。また、よく熟したトマトの赤い色素"リコピン"はカロチノイドの一種で、様々な生活習慣病の予防に役立つとされ近年注目が集まっています。リコピンは油に溶けやすく、熱に対しても安定していることから、今回ご紹介したラタトゥイユのようにトマトを油で調理することでリコピンの吸収力率がアップします。
日本では「冷やしトマト」、「サラダ」などトマトは生食として食べられることが多いですが、水煮のホールトマト缶はミートソースや鶏肉のトマト煮など肉類との相性もいいので、料理のアレンジにもっと活用しましょう。

パン食メニューの栄養成分